東京では少しテンションが上がる、カラーズ京都の長瀬澄人です。

先日、10月開催の、きものサローネというイベントに出展させていただくため、説明会に参加しに都内に行って来ました。（画像はいつものアトリエです）

数年前までは、都内に出張に行くこともチラホラあったのですが、カラーズ京都としてショップを兼ねるようになってからは、久しぶりの東京でした。
何度足を運んでも、街や人々のエネルギーに圧倒されそうになるのですが、特に今はオリンピックに向けた熱が、じわじわと燻っているような印象でしたね。

肝心の説明会では、昨今の呉服業界全体に漂う、いわゆる停滞感のような空気は一切感じられず、ポジティブにアクティブに、またオープンでクリアに着物の良さを発信していこうという関係者の方々が多いことに驚きました。
ここ30〜40年ほどで、急激にマイナー化した着物も、長いスパンで見たら、どこかの時点でまたメジャーなものになる揺り返し現象が起こるようなことも、もしかしたらあるのかもしれません。

そんなことを考えると、カラーズ京都の根本理念と言えば大袈裟ですが、着物ファンに喜んでもらえる着物を作るという、とても単純で当たり前なテーマが、一番大切なことだと改めて思います。

カラーズのような伝統産業の工房全般というのは、現在それを経営することの難しさに直面するあまり、単純な大原則を見失ってしまうケースが多くあると思います。
それくらい着物の制作現場というのは、本当にエンドユーザーの存在や、的確な情報が見えない場所だと言えます。

また反対に、エンドユーザーからしても、後継者不足というワードを耳にするばかりで、どこでどんな風に染められているのかも含め、その実状というのは見えない部分が多いかと思います。

きものサローネというイベントの主催者さんや、関係幹事の方々のお話を伺うと、単純に楽しいお祭りのようなイベントという以上に、そんな双方の思いを繋ぎ合せるという意義があるのだろうと、私には感じることができました。

カラーズ京都としては、アトリエ外で出展する初めての機会となりますので、10月6・7・8日の会期を楽しみにしています。
都内近郊の方は、ぜひ遊びに来てくださいませ。