爽やかに染める理由
気分が上がる色に染めないと気が済まない、カラーズ京都の長瀬澄人です。
梅雨入りして、やや鬱陶しい天気が続いていますが、カラーズでは、そんな季節こそ爽やかな着物を染めています。
一般的に着物と言えば、日本の伝統色である、いわゆるスモーキーな色をイメージされることが多いかと思います。
言葉で表現するのが難しいような、複雑な発色感がある色が多く、奥行きのある存在感を発するのが、伝統色の良さであり、特徴だと思います。
カラーズ京都では、そればかりではなく、濁りの無い綺麗な色も積極的に染めています。
幼少期から染め工場で育った記憶を辿ってみると、幼ながらも、
「なぜ古臭くて、やや濁った色ばかり染めるのかな?」
と不思議に思っていたことを思い出します。
大人になって、染の現場で働くようになり、その理由が理解できたのですが、それは
「昔から良しとされてきた色目が、今も最良の色目である」
というような、盲信とまでは言わないですが、それに近い空気があることです。
また、「特に古典的模様には、伝統色がよく合うし、安心感が得られるから、そうしておけば間違いない」という空気もあるかと思います。
あくまで私個人の解釈ですが。
そこには女性の気持ちを汲み取って反映するような余地は全く無いままに、そういうものとして、男性社会の中で、半ば事務的に、そう決めてきたという背景があると、私は感じます。
確かに、昔から受け継がれてきた伝統や文化、またその様式美というものは、とても大切だと理解できます。
ですが、人間のセンスは、ほんの5年10年の違いでジェネレーションギャップを感じるほど繊細で、また多様化しているものですので、現代に即した色を染めることは、それと並んで大切なことだと、私は思っています。
カラーズ京都では、まず一番に、女性が着たくなる、気分が高まる色を染めること、そして質の良さを体感できる着物を作ろうと考えています。
せっかく着物を着るのだから、気分の上がる色を着たいと思われる方は、カラーズ京都にご相談ください。