紅葉と着物
紅葉の美しさを、強引に着物と絡めたがる、カラーズ京都の長瀬澄人です。
京都は紅葉のクライマックスを迎えています。
どれだけ科学が進歩しようと、百人一首が詠まれたような古えの時代から、変わらぬ美しさがあるんだなぁと、感慨深い気持ちになります。(画像が紅葉と絡んでなくてすみません)
紅葉と特に相性が良く、とても絵になる着物ですが、私が着物を着ている時に感じるのは、当たり前かもしれないですが、自分が日本人なんだということです。
私のルーツは、由緒ある家柄ではないので、きちんとした家系図はありませんが、親戚からの情報によると、私の高祖父(ひいひいお爺さん)は、江戸幕末期生まれで、名を「源衛門」といったそうです。
〜衛門という名は、時代劇や漫画に出てくるものという印象がありますが、ひいひい爺ちゃんがそうだったと思うと、とてもリアルに感じます。
源衛門さんは、どんな着物を着てたのかなぁ?とか、センス良かったんかなぁ?などと思いを巡らせると、その時代とは全く違う生活を送っている自分でも、着物を着ている時には、時代を超えて何かを共有しているような気持ちになります。
源衛門さんが、何の仕事をしていたのか、残念ながらその詳細は判らないですが、少なくとも祖父、父、私については着物の染の職人をしてきました。
それぞれが自分の工房を興しているので、代々と言えるのかは微妙なところですが、毎日絹の反物を触り、色や柄を着けていたということは共通しています。
着物は、時代によってそのディテールに変化はあれど、永く存在し、独自の美を形成してきたものです。
紅葉の美しさもまた、毎年訪れるものですが、儚いほど短い時間だからこそ、その瞬間を着物で着飾って楽しむことに趣があるのだろうと思います。
いとおかし。